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もてなし上手の懐の広い人

昨晩、石鹸の先生宅へ一週間ぶりにまたお邪魔してしまった(本題にはそれるけれど、先週お邪魔したときのNYの気温はー5度だったのに、昨日は17度くらい。本当にNYの気候の変化の激しさには驚いてしまう)。石鹸作りの材料を揃えるのが簡単ではないからだ。オンラインショップを何件かはしごしないと欲しいものが揃わない。そうなると手間隙お金が掛かるので、Kさんは気前良く、"私が分けてあげようか”と言ってくださり、図々しくまたお邪魔させてもらったのだ。で、すぐにアパートに戻るつもりで行ったにも拘らず、居心地が良くてついかなりの長居をしてしまう。私の先にも一人お客様が居たらしいし、私がお邪魔したときにもKさんのだんな様のお友達が居て。私が居る間にまた一人お友達がやって来る。どうやら人の集まるお家らしい。それも当然なはず。何とも居心地が良い家なのだ。Kさんもだんな様も良い意味でとても自然体。自分をカッコ良く見せようというニューヨーカーにありがちな嫌味なところ、そして他人に対して批判的なところがないのだ。Kさんは私より5歳も年下だけれど、人間の器量はずっと大きいと感じる。そしてKさんはお料理がとってもお上手。皆とお話しながら、手際良くご飯の支度を終えてしまう。久しぶりの人様の手料理に感激する私。NYでは皆文句ばかりが多くて、人に損得勘定なしで親切にする人は少ない。Kさん宅に人が集まるのも納得がいくというもの。かく言う私も日々NYの嫌なところに感化され、日々の生活に追われ、自分勝手に拍車が掛かるばかり。感激、反省ひとしきりの昨晩であった。そして失礼だけれど、Kさんに自分の母親を見るような気さえした。我が家も来客の絶えないうちである。母は手料理をもてなすのが好きで、何時誰がきても嫌な顔もせずにおもてなしする。父が亡くなった後、経済的なゆとりがなくても、そのとき自分の出来る範囲で心をこめてもてなしをする。良く見せよう、という気負いがない。娘の私とくれば、まずは散らかった家を片付けてから、とカッコが先にきてしまう。そういうことではなくて、真心なんだよなあ、とKさんに教わる思いだ。Kさんの石鹸が優しいのはそういう彼女の真心がこもっているからに違いない。手作りの真髄を見る思いである。

by sakurasikibu | 2006-03-12 06:08