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ギリギリのギリ子

昔付き合っていたボーイフレンドに良く”ギリ子”と言われていた。別に義理堅いからというわけではない。何でもやることがギリギリだからである。彼は良く、”何でも本当にギリギリなんだけど、結局思うように事が運ぶよね、”と半ば呆れて半ば感心して言っていた。なんでもギリギリは子供の時から今も変わらない。小学校の夏休みの宿題も大学院の修士論文も全て締め切りギリギリまで徹夜でこなしてきた。

現在、NYは10月1日の午前12時をちょっとまわったところ (私としては9月30日から引き続き起きているわけなんだけど)。昨日(9/30), 30代最後の誕生日を迎えた。この日も溜めた課題に追われ徹夜して迎えた。9月上旬から始めたヨガのティーチャートレーニングの課題を終えなくてはいけなかったからだ。今回は反省しているというか、この課題を後回しにして生きる癖はもう好い加減に卒業しようと、心から思うのである。もっとゆとり持って物事に望む方がきっと自分のベストが出せるんだろうと思うし、この年で徹夜をするのはやっぱりキツイ。30代の残り一年、この性癖の改善に当りたいと思う。

話は変わり。昨日ヨガのトレーニングが終わってから、誕生日祝いとして友人が私の大好きなダンスカンパニーの公演に招待してくれた。シェン ウェイという中国人男性の率いるカンパニー。彼の舞台を始めて見たのは、3,4年前だった。ダンスを見るのが好きで、色んな国のダンスを見てきたけれど、彼のカンパニーは本当に異色だ。”静を動で表現する”とでもいうのであろうか、日本の能生の動きに少し似たところがあるかもしれない。この人は舞台衣装も装置も自分でデザインするのだが、色、形の微妙さ加減はちょっと他に類を見ない。この人は俗に言う天才という人だろうと思う。彼の舞台はとにかく美しい。幻想的でもある。ダンスそのものも、音楽、衣装、舞台設定も全てミニマリズムなんだけれど、奥深く計算され、観客のこちら側の頭の中での創造性も引き出すような、表現力は最大限に使っているというのかな。
昨晩は二つの作品を披露してくれ、一つは今年の新作だった、タイトルはRE-(PART ONE)。たった4人のダンサーがチベットの尼さんの詠唱に合わせて夜桜の下で精霊たちが踊っているかのような美しいダンスだった。その尼さんの声も素晴らしかった。10月1日の夜がNYでの今年最後の公演です。NY近郊にお住まいの方、是非見に行ってみてください。
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ちなみのこの写真は彼の2000年の作品で、確か4年前に再演し、私が見た最初の作品。
圧倒されたのを覚えている。

by sakurasikibu | 2006-10-01 01:12