適応するということ

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こんばんは。
台風アールが近づいてきているNYは大変蒸し暑いです。NYは酷いことにはならなさそうですが、ノース・キャロライナ州やら、コネチカット州などでは避難命令が出ている地域もあるようです。アメリカに移って13年が過ぎましたが、これまで東海岸をこんな大きな台風が襲うことはありませんでしたね。被害が余り大きくならないと良いのですが・・・。

今日はNYにある日系医療・健康に従事する人たちで構成されたグループのミーティングに仕事を早退して出席してきました。場所はNYでも日本人が集まるとやっぱり何というか本当に真面目な雰囲気になりますね。普段アメリカ人の中で仕事をしている私にはちょっとだけカルチャーショックかな。いろんな面で本当にちゃんと組織されていて、安心するといえば安心しますね。落ちがない。

こういうところに顔を出すようになったことも関係しているのか、最近アートセラピストとしての私に話しを伺いたい、と申し出られる方が立て続いております。光栄なことですね。わたくしごときでこんな風ですから、本当に活躍されておられる方は大変だろうと思います。時間のマネージメント力が必要ですね。

今日は職場にやってきた新しい患者さんのことを。30代後半の女性Gさんは、ルーマニアから7ヶ月前にNYにやって来ました。なんと15年間のNYとルーマニアで遠距離恋愛を経て、ようやくひと月まえに結婚したそうだ。本来なら、新婚で幸せ一杯なんだろう、と想像しそうだけれど、彼女はその逆。生きているのが嫌になって、再三自殺未遂をして、とうとう病院にやって来ました。大好きだった彼は一緒になってみれば、言葉の暴力の激しい人だと発覚。そして彼女は母国ではニュース・アンカーとしてプライム・タイムに自分の番組を持つ売れっ子のジャーナリストだったらしい。衣類に相当お金をかけていたらしく、置いてきた洋服や200足の靴が恋しい、と話してくれた。どうやら華やかに暮らしていたよう。ところが、NYではウエイトレスとして働き、自給はなく、チップのみが彼女の収入だそう。旦那さまはキャブのドライバーだそうで、やはり贅沢な暮らしは望めないようだ。

ジャーナリストとして、自分の能力を最大限に活用してきた彼女は流暢に英語は話すのだけれど、でも英語で生活することはすごくもどかしいらしい。自分を思うように表現できないからね。暮らし振りも一転してしまったようだ。きっとルーマニア社会のリズムとこの何でもハイピッチのこのNYのそれとでは大きく違うんじゃないだろうか。でも、母国は不況が酷いのでもう帰る気はない、と話していた。


私もNYに来た頃は、いやしばらくはこの環境に適応するのに随分と苦労したものだ。やぱり言葉の壁は大きかったなあ。大学院のテキストをどんなに勉強しても、日常会話の役には全然立たない。TV番組を見るほうがずっと勉強になった。日本にいた頃は弾丸トークと言われた位、良く喋る女だったのに、英語では幼稚園児並みかそれ以下にしか話せなくて、もう本当にフラストレーションは溜まったし、自己嫌悪に陥りましたね。アメリカに来てしばらくは静かな人になっていましたよ。

生活スタイルも日本に居た頃とアメリカとでは随分と違う。物質的には日本にいた頃の方が恵まれていたと思う。けれど精神的な自由を謳歌するという点ではNYに軍杯が上がる。

私はNYでの生活は最初の5年くらいは、いつも心のどこかに不満があって、文句を言っていたものだ。何がきっかけだったのだろうかなあ・・・。多分この街に住んでいるからこそ享受できるものに心の底から感謝するようになってからだろうか・・・、NYの住み心地がすっかり変わってしまった。NYに対する文句を言う仲間だった人とも疎遠になってしまった。だって、もう口を合わせて文句を言わないからね。その彼女はドイツのベルリンへと戻って行った。いろんなことがあったけれど、今ではNYのことが本当に大好きだし、文句を言うことももうなくなってしまったと思う。最後に文句をたれたのはいつかも覚えていない。

苦手だった英会話もいつの間にか、思うように話せるようになっていた。もちろんネイティブと同じようにはいかないけれど、自分の言いたいことは伝えられるし、不自由は感じない。ライフスタイルは日本にいた頃とはやはり違うけれど、きっと今の私にはこういうスタイルが丁度良いんだろうと思っている。

私がNYに文句をたれていた頃は多分過去を振り返って、今の自分が不服だったからだろう。恵まれた過去があると、それとは違って見える『今』が不足に見えてしまうのだろうね。でも、その『今』をそのまま受け止めて、そのなかに有難いものを見つけて感謝で満たされると、何だか全てが不思議といい方向に向かっていくような気がします。

今日、面接したGさんもNYにいるからこそ有難いと思えるものを見つけて行ってくれると良いなあ、と思う。美しくて知的な彼女にはきっとピッタリの良い仕事も待っていることだろうと思うし。元気を出してもらいたいな。



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by sakurasikibu | 2010-09-02 19:59 | 仕事場で感じたこと